第28章 I am a Villain
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「ヴィラ……ン」
轟は、よろめいて、すぐ側の壁にもたれかかった。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」
何も聞きたくないと絶叫しながら膝をついて耳を塞ぐ爆豪
緑谷も膝から崩れ落ち、腕をついた。
そんな3人を見渡し、くるみは自分の体をを抱きしめ、くねっと身体を震わせた。
『あははぁ…♡
人が絶望してる表情ってなんでこんなに滾るのかなぁ…?』
幸せそうに言葉を噛み締め、くるみは爆豪のすぐ目の前に、ちょこんと座ると、絶望する男の顔を覗き込んだ。
『ね…爆豪くん
ヴィランなろうよ…
そしたら、私と、ずっと一緒にいられるよ?』
「……カ…ゲホッ…グ…」
あまりの精神ストレスによるものか、爆豪は嘔吐し、その場に四つ這いに手を付いて項垂れた
「くるみ…今まで嘘ついてたのか…?
そんな…嘘だろ?なぁ!」
後方から叫ぶ轟に、くるみはキョトンとした表情で肩をすくめた。
『ヤダなぁ
私、嘘なんかついてないよ?』