第27章 l am a hero
緑谷はなんとか、2人を救出する一手を頭の中で練り上げる。
が、戦闘が許されていない身では、方法は極端に限られている…
そんな中で、導き出した一筋の光…
「飯田くん…みんな!聞いて…
見つけたんだ!
決して戦闘行為にはならない、僕らもこの場から去れる!
その上、かっちゃんと縫井さんを助け出せる方法が!!」
「言ってみてくれ」
ゴクリと生唾を飲む轟、
彼もまた、恋焦がれる女が命の危機とあって、冷静ではいられていない。
緑谷は、もう一度頭の中でこの作戦の可能性を鑑み、頷いたあと口を開いた。
「まず…
僕の【フルカウル】飯田くんの【レシプロ】でまずは推進力
そして、切島くんの【硬化】でコンクリ壁をぶち破る…
開けた瞬間すぐさま轟くんの【氷結】で道を形成してほしい!
なるべく高く『跳べる』ように
ヴィランは僕達に気づいていない…
だから、手の届かない高さで戦場を横断するんだ!
そしたら【切島くん】だ、
僕じゃダメだ、轟くんでも、八百万さんでも、飯田くんでも
入学してから今まで、かっちゃんと対等な関係を築いてきた…
君(ともだち)の呼びかけなら!!」