第27章 l am a hero
「来い!!」
真っ直ぐに、爆豪に向けて伸ばされた切島の腕、
緑谷の作戦通り、戦場の10mほど上を横断する緑谷達に、爆豪は大きく目を見開いた。
状況を理解した爆豪は、くるみの腰を掴んで、爆破で空を飛ぼうともう一方の手を地面に向ける。
だがその瞬間だった、
くるみの細い腕が爆豪に絡みつき、そっと彼女の方に引き寄せられた顎
重なる二つの唇…
「……は?」
呟いたのは切島だった
時間が止まったかのような感覚に、
無慈悲に放物線は、救出のタイミングを逃して爆豪の頭元を過ぎていく
とっさにガソリンを逆方向に蒸した飯田の機転で、
爆豪救出に飛び出した3人は、崩壊寸前の倉庫の屋根上に降り立った
後方から轟、八百万、前方に飯田、緑谷、切島…
呆然とした五人の視線の先には、
未だ唇を重ねる爆豪とくるみの姿……