第27章 l am a hero
「5年前と同じ過ちは犯さん、オールフォーワン
爆豪少年と縫井少女を取り返す!
そして貴様は今度こそ刑務所にブチ込む!
貴様の操るヴィラン連合もろとも!!」
宣言しながら飛びかかるオールマイトに、オールフォーワンはかざした左手を増幅させた。
「やる事が多くて大変だな
【お互いに】」
通常の何倍にも膨れ上がった左腕、放たれた空気砲にオールマイトは1キロ近く吹っ飛ばされる。
「オールマイトぉ!!!」
叫ぶ爆豪、
そんな爆豪を指さして、オールフォーワンは死柄木に命令する。
強制個性発動させた、黒霧のワープゲートが大きく開いていく。
直径3mにも及ぶ黒い渦…
「逃げろ、弔。
その子を連れて…」
「でも…先生は…?」
「常に考えろ弔…今己に何が一番必要か…
お前はまだまだ成長できる」
オールマイトが1キロ先から戻って、オールフォーワンと再度、拳を交わす。
「行こう!死柄木!
オールフォーワンがオールマイトをくい止めてくれている隙に!」
「駒(爆豪)持ってよ」
「めんっ…どくせぇ」
爆豪は、この土煙の中、くるみを決して離すことなく守り続けていた。
が、ここまで追い詰められてしまっては、為すすべも逃げる算段も立たない。
(オールマイトは、オールフォーワンが邪魔をしてかっちゃんを助けられないんだ…!
その隙に連合はかっちゃんもろとも逃走しようとしてる…!)
爆豪はくるみを守りながら6人のヴィランとやり合っている。
このままでは、強引に連れ去られるのも時間の問題
(オールマイトも、人質が近くにいるせいで、力を出し切って戦えていない…!)