第27章 l am a hero
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ここまでの恐怖を
誰が体験しただろうか。
オールマイトをあんな体にした、ラスボス的存在…オールフォーワン。
オールマイトが平和の象徴であるとすれば、
彼は、云わば 悪の象徴…
その巨悪がゆっくりと育てた新たな悪が、死柄木弔…。
(こんな……2人まで、あと、6メートルなのに…!)
緑谷は震え続ける体をどうにか捻ろうと躍起になった。
金縛りにあったように、指先一つまともに動かせない。
(怖いから動けないなんて…!今、やらなきゃ…!今、動かなきゃ…!!!)
「助けたい」その気持ちが緑谷を突き動かす
どうしようもなく
だが、その衝動を抑えるように、飯田と八百万が、緑谷達の体を押さえつけた。
彼らにとっては、爆豪同様、緑谷や轟…切島は大切な級友。
やみくもに、あんな巨悪と対戦させるわけにはいかない…
視線だけで、会話がなされる中
空から降ってきた光に、皆目を奪われた
「全て……返してもらうぞ!オールフォーワン!!」
「オールマイト…」