第25章 I am your love
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「この子だあれ?かーいいね!刺していい?」
「ダメです。彼女は大切な人質役ですから、傷はつけないでください。」
「えぇー」
トガヒミコは、出していたナイフをポケットに収めて、ちゅうっと唇を突き出す。
「くるみちゃん、早く起きないかなぁー起きて欲しいなぁー、恋バナ、したいです!
この子も恋、してるよね?!
わかるんです。
恋してる同士、仲良くなれます!」
ヴィラン連合のアジト内、床に寝そべったくるみ。
ヴィラン達はくるみを見下ろして会話を続けた。
「それにしても全然起きねぇな」
「これから、彼女には一仕事してもらわねばいけませんからね
…ヒート直後で疲れ果てているようなので、そのまま寝かしています。」
そこに、死柄木弔がバーのドアを開け、室内に入ってきた。
死柄木は、床に倒れたくるみを見下ろすと、黒霧を睨みつける。
「おい…なんで床に置いてんだ…
奥にベッド…あるだろ」
「すみません…死柄木弔、すぐに運びます…」
「いい、俺がやる」
死柄木は、くるみの体を横抱きにすると、奥のドアを開け、簡素なベッドに横たわらせた。
「こいつの事は、丁重に扱かってくれないと困る…」
つ…と指の甲で頬に触れると、ニィ…と不気味な笑みを浮かべた。