第25章 I am your love
「…死柄木弔、では予定通りでよろしいですか?」
黒霧が、ベッドに腰をかけた死柄木に話しかけると、その指先がくるみから離れた。
「そいつらに、リストはみせたのかよ」
「はい、見せました」
顔面に取り付けた手の隙間から、ぐるりとバー内に並ぶ8人を見渡す。
「リストの中でも、1番の目的はコイツだ」
死柄木がカウンターに並んだ写真の中から、爆豪の写真を選び取り、人差し指と親指で持ち上げた。
体育祭で一位になった時の拘束姿のその写真に、死柄木はニヤリと口角を上げる。
「爆豪勝己…個性は爆破
手のひらからニトロのような汗を分泌させ、攻撃してくる
体育祭の第1試合ん時。瓦礫を吹っ飛ばしたのが最大火力だ」
「こいつを生かして連れてこいと?」
そう問いかけたのは、荼毘。
継ぎ接ぎだらけの顔で首を傾げる。
「こいつは殺すな
俺たちとわかりあえる、いい駒になる…」
「殺せリストはこっち?」
トガヒミコが、ダン!とナイフを刺したのは、緑谷の写真。
体育祭予選のゴールシーン、その写真の心臓部に突き刺さったナイフに、死柄木は頷く。
「そいつと、轟焦凍…そいつらは殺せ…
子供の名前、個性…詳しいことはリストに書いてある…」
「よくここまで調べたよな!
凄いぜ!/ 大したことねぇな!」
トゥワイスがノートをめくる。
「すぐに、合宿先もわかりますよ。
場所さえわかれば、皆様に役割分担をお伝えします」
「頼もしいねぇ…ヴィラン連合…」
荼毘はククク…と笑って親指で下唇を撫でた。