第3章 I am general course
「出れねぇじゃん
何しに来たんだよ…」
と戸惑う峰田の横を素通りしながら
「敵情視察に決まってんだろザコ」
と、爆豪は目下に群がる普通科生徒を睨みつけた。
「意味ねぇから、どけモブ共」
爆豪の声が聞こえて、くるみはパッと1人表情を明るくする。
周りがヘイトの視線を送る中で、完全に1人だけ場違いだった。
そんな高圧的な爆豪に、心操が人混みの中から一歩前に出て言い返している。
「こういうのみちゃうと、ちょっと幻滅するなぁ
普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたからってやつ入ってるって奴
結構いるんだ 知ってた?」
問いかけられた爆豪は無言で心操の話を聞く。
もちろん知っている。
毎日周りをうろちょろして来る女がそうだからだ。
「敵情視察?少なくとも俺は、
宣戦布告しに来たつもり」
背中のざわつくような声に、その場の空気が毛羽立った
「わー心操すごーい」
レイナはパチパチーと小さく拍手を送る
くるみは、両手で口元を押さえて爆豪の返事に耳をすませたが、爆豪は何も答えずに人波を分けて帰ろうとするが、
「待て!どうしてくれんだ!
おめーのせいで、ヘイト集まりまくだちまったじゃねぇか!」
爆豪を呼び止め、文句を垂れたのは切島…彼の意見はもっともなのだが、爆豪は「関係ねぇ」と吐き捨てる。
ーーー「上に上がりゃ 関係ねぇ」
『きゃぅう…♡』
爆轟の一言に、小さく悲鳴をあげるくるみ
真っ赤になった頬を手で隠してデレデレに蕩けた顔をしている。
『(聞いた!?聞いた?今の!かっこよすぎー♡)』
くるみは声を潜めてエミリに抱きつくとその場でぴょんぴょんと跳ねた。