第3章 I am general course
…と、人が裂けてその間を爆豪が進んで来た。
くるみは、爆豪が過ぎ去ったところで追いかけると、
いつものように『爆豪くん』と声をかけたのだが
爆豪はくるりと体をくるみに向けると、
ハァ…とため息をつき
「マジで、ジャマだからもう俺の周りに寄んな、オメガ」
と吐き捨てた。
『………』
言葉を失ったくるみ、周りの生徒たちは、敵情視察に来ていた普通科も、ヒーロー科も…あまりにひどい言い草に息を飲む。
が、次の瞬間大ブーイングが爆豪に浴びせらた
「てめ…女の子にんな言い方ねぇだろ!」
「アルファだからって威張りすぎ!」
「オイ、爆豪そりゃちょっとやりすぎ…」
「そうだよ!オメガとか関係ないじゃん!可哀想!」
爆豪は、そんな非難も、聞こえていないかのように
振り返ることもなく廊下を進んで行った。
「くるみ…大丈夫?」
レイナが肩を抱くと、くるみはヘラっと笑って
『怒らせちゃった……』と呟く。
教室から出て来た上鳴がくるみの側に駆け寄ると
「大丈夫?ひでぇよな、こんなに可愛い子にオメガとかよぉ」と励ましたが、くるみは無理した笑顔を作ると
『上鳴くんは褒め上手だなぁ
でも平気、ありがとう
あ…もう帰るね、またね!』
適当に友人に手を振り、その場を逃げるように駆け出した。
ざわつきの残った廊下には、くるみを同情する声と、爆豪の非難の言葉が残り
轟は、いつもより少し早歩きで学校を後にした。