第25章 I am your love
「休憩…かな?」
思えばもう2時間以上走りっぱなしだ。
携帯を見るけれど、電波は通じていない、相当な山奥のパーキングゾーンにバスから降りる。
トイレも何もない、休憩所と呼ぶには殺風景な場所にで、僕らは目下の山を見下ろした。
「なにもねーな」
と呟いたのは上鳴くんで、僕は心の中で同意する。
とその時、ひどく聞きなれたセリフに振り向いた
「煌めく眼でロックオン!」
「キュートにキャットにスティンガー!」
「ワイルド·ワイルドプッシーキャッツ!」
目の前に現れた2人は、肉球のついたグローブを1人は横に、1人は上に突き出して、独特のポーズを決める、
本来の数2分の1だけど…この声は、このセリフは、このポーズは!!!
「連盟事務所を構える4名一チームのヒーロー集団!!!
山岳救助等を得意とする[ベテラン]チームだよ!!
キャリアは今年でもう、じゅうに…」
そこまで言ったところで口を肉球に塞がれる。
「心は18……」
僕にだけ聞こえるような声で、ぼそっと呟かれた言葉に、背筋が凍りついた。
「心は?」
催促され、答えるのは「18…」というピクシーボブのデビュー時の年齢。
もう30歳を超えているはずのピクシーボブ、僕はなにかの地雷を踏んだようだけれど、開放された口元でそっとため息を吐いた。