第24章 I am dating with you
(人が…多すぎる…)
こんな所でヒートが起きたら…俺だけじゃ、守りきれねぇ…。
大きなショッピングモールや、駅には備え付けられているはずの、ヒート抑制剤…
備え付け場所を探そうと、躍起になって地図を見ると、この少し先に設置場所があるようだ。
「少し我慢しろよ…!」
人をかき分け、3つ先の角を曲がる。
壁に備え付けられたビビットピンクの鉄箱、その前にくるみを降ろすとすぐに、鉄箱から注射器を取り出した。
『や…爆豪くん…打たないで…!』
「動くな!」
爆豪はくるみを押さえつけ、その細い太ももに針を差し込んだ。
『ばくご…くん……嫌…痛くなる…怖い』
すぐにやってくる痛みに顔が歪んで涙が溢れる
「…っ」
抑制剤が起こす痛みが、どれほどのものか、計り知れない。
この苦しみから、解放してやることは自分にはできない…
そう思うと目頭が熱くなっていった。