第23章 I am a winner
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
「明日、買い物付き合え」
帰宅後、開口一番にそう告げたのは爆豪だった。
『お買い物?』
くるみは不思議そうに首をかしげるが、爆豪は林間合宿のしおりをくるみに投げてよこすだけ。
くるみはしおりに記載の持ち物リストに目を通しながら、おおーと感嘆を漏らした。
『たくさん買わなきゃだねー、
うん!明日買いに行こっか』
くるみは爆豪のそばに駆け寄ると、キュッとその体を抱きしめる。
『デートだ♡』
「いっつもしてんだろ、今更そんなに嬉しいかよ」
『うれしい!』
爆豪の目には、無いはずの犬のしっぽが見えている、ブンブン横振りを繰り返して喜びを表現しているのだが…その体温が少し高くて、顔をしかめた。
「ヒートが近けぇんじゃねぇか?」
『ちかいけど…予定日は4日後だから、まだ大丈夫!』
くるみの髪を撫でてやると、やっぱり少しだけ熱が高く、
最近、くるみはやけに眠りが深かったり、食が細くなり、時折食事の匂いだけで吐くようになっていた。
体調不良を考慮して爆豪は明日の買い物を中止にしようと持ちかけたが、
くるみが『行く!』の一点張りで、結局明日は予定通りデートをすることになった。