第23章 I am a winner
くるみは鼻歌を歌いながら、緑谷にLINEを送る。
【明日爆豪くんと、お買い物デートいくの!】
テンションの高いスタンプとともにメッセージを受け取った緑谷は、柔らかく笑った。
「かっちゃん、皆んなと行かないって言ったのは、
縫井さんと買い物行きたかったからなのか…」
そう思うと、なんだか微笑ましくて、緩む顔を抑えられない。
「えっと…僕も、明日、木椰子区ショッピングモールに買い物に行くんだ…っと」
緑谷がLINEを送信し、それを受け取るくるみ。
『木椰子区ショッピングモール……』
呟くと、爆豪がそれに反応した。
「あ?」
『ねぇ、爆豪くん!明日のお買い物木椰子区ショッピングモールでもいい?』
「好きにしろ」
くるみは、スマホをベッドに投げおき、爆豪に抱きつく。
『お昼から行こ?木椰子モールって、美味しいカフェあるの、スプーマカフェ、パスタとハニートーストが美味しいんだって。
前から行きたかったんだ』
「テメェのしたいようにすればいい」
爆豪は緩やかに巻かれた髪を撫でながら、優しく笑顔を向けた。
くるみは爆豪の胸元に顔をうずめて、うつらうつらとし始める。
「無理すんな」
『んん…でも…』
「いいから、寝ろ」
くるみは言われるがままベッドに沈み、そのまま電池切れのように眠り始めた。
(やっぱ体温高ぇな…)
またヒートが来ても、今日から夏休みだ。
今回はずっと付き添ってやれる…
そう思うと幾分か気持ちは楽だった。
眠るくるみの唇に、そっと口づけを落とした。