第23章 I am a winner
「最近お前…体温高いな」
『んぁ…そ…そうかな…っん』
途切れ途切れに聞こえる縫井さんの、小さな喘ぎ声
指先まで熱くなって、どうしたら良いのかわからなくなった。
「くるみ…首…外せ…噛ませろ」
『う…♡ん……♡』
ガチャガチャという音に、聞き覚えがあって、僕は思わず耳から手を離す。
この金属音は、オメガの首輪の金具の音…
(それに…噛むって…)
ダメだと思いながらも、恐る恐るカーテンの隙間から目を凝らした。
カーテンの中の二人の世界で、かっちゃんの歯が縫井さんの首筋に埋まっていくのが見える…。
よく見れば、その首元には幾つもの、古い噛み跡や新しい噛み跡…。
僕は思わずカーテンからまた、体を離した。
(……噛んでた、
え?しかも…噛み跡が沢山……けど…消えかけてた…?よね)
二人の結束部は、縫井さんのスカートで見えなかったけど…
番の条件はクリアしているはずだ……
それなのに、番にはなっていない…消えかけていた首筋の噛み跡がそれを証明している。
(つまり…かっちゃんが噛んでも…番になれてない…ってこと?
それって…もしかして……かっちゃんは
アルファじゃない…の?)