第22章 I am not knowing
ぶらり…と片腕だけを釣り上げられた緑谷と、地面に踏みつけられた爆豪。
緑谷は、遠くにおもちゃのように投げられ、爆豪はさらに深く踏みつけられた。
「協力ってのは、この試験の最低条件ってなもんでね、
こっからだ!ヒーロー共」
「クソ…が!!」
爆豪の手のひらから、ボボボ!と爆破が起きる。
足元からの最大威力には、オールマイトであっても爆風に少しだけ煽られた。
爆豪は、篭手を失ったことで、腕を犠牲にしながらリスクを承知で最大火力を連打する。
「行け!デク…!」
「かっちゃん…!」
「オレは…何としてでもアルファに勝たんといけんのだ!
ここで、折れるわけには行かねぇンだよ!!!」
腕が痺れる。
痛みに血管が引きちぎれそうなほど脈を打つ。
(勝って…!勝って……胸張って、アイツの側に…!)
目の前にそびえる世界一高い壁。
ならば、超えるという選択肢しか、爆豪の脳にはない。