第22章 I am not knowing
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
けたたましい爆煙が舞う。
爆豪が中距離で放った大爆発が、オールマイトの視界を塞いだ。
「学ばないな…!君も!」
オールマイトが、とどめを刺そうと、爆豪に殴りかかる。
跳ね上がった土煙、その背後から現れた小さな影に、オールマイトは大勢を崩しながら振り返った。
緑谷が構える右手には、爆豪の篭手がハメられている。
篭手の先端とオールマイトの距離、1メートル未満。
「打て!!!デク!!」
「ごめんなさい…!オールマイト!!」
ピンが抜ける音がした。
小さな音のはずなのに、やけに耳に響く金属音…。
最大火力のスタングレネードがゼロ距離で放たれ、オールマイトの体を炎が包見込む。
「走れ!」
「うん!」
目指すゲートは300メートルほど先、
爆豪は爆速ターボで、緑谷はフルカウルでゴールを目指す。
ゴールを視界に捉えると、緑谷は後ろを振り返った。
「オールマイト…追ってくる様子がないね…
まさか、さっきの爆破で…」
「クソか!さっきさんざん倒せねぇって言ってたのはてめぇだろうが!
あんなんで勝てるわけねぇだろ!
次来たら、今度は俺のコテでぶっ飛ばす!」
爆豪の叫びに、頷くのは、緑谷だけではない
「うんうん、それでそれで?」
突如二人の間に現れたオールマイト、
一瞬たじろいで、爆豪が篭手を向けると、ワンパンで鉄製の篭手を粉砕した。
緑谷の篭手も同様、打ち砕くと、振りかぶって膝蹴りを爆豪の顎元に入れ込む。
爆豪は、建物の5階くらいに打ち付けられたが、すぐに体制を戻し、オールマイトに飛びかかった。
が、オールマイトは緑谷の手を掴み、テニスラケットのように、振り下ろして、爆豪を地面に叩きつける。