第22章 I am not knowing
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嫌な奴さ……いつだって
ホント…嫌な奴だ。
生まれた時から、僕はオメガで、かっちゃんはアルファだった。
個性が出てからは、その差はさらに広がるばかりで…。
アルファにおあつらえ向きな強個性が発生したかっちゃんは、さらに自信を増していった。
でも、嫌な奴だけど…いつだって残してきた結果は、その自信も頷けるようなもので…。
どんな時でも、1番たろうとする、かっちゃんの姿は…憧れだった。
だから…だからこそ…信じられなかったんだよ。
縫井さんのことを、あんな扱いをする君を。
憧れだったからこそ、
その分、ショックも大きかった。
かなり…幻滅もした
でもさ、君は縫井さんと居る時…本当に穏やかな顔をしてる。
あの表情が、嘘だなんて…やっぱり思えないよ。
さっきだって…縫井さんの、名前を聞くだけで、君の瞳に光が指した。
ねぇ、かっちゃん…
そんなに好きなんなら、なんで番にならないんだよ…。
僕がそんなこと、知る権利もないのはわかってる…。
でもさ……この試験が終わったら…いや、この試験で合格したら、教えてよ…。
さっき言いかけた、言葉の続きを…。