第22章 I am not knowing
爆豪は宣言通り、真正面からオールマイトに突っ込んだ
まずは挨拶がわりのスタングレネード。
(視界を奪い、その間に間合い詰めて…最大火力…!っ……!)
が、爆破で目を眩ませたはずが、顔面を握られ、宙ぶらりんにされてしまう。
小爆弾を連打しても、大したダメージを与えることは出来ない。
「クソアルファが!!」
その叫びにオールマイトの眉がビクリと動き、爆豪を投げつけた。
「かっちゃん!」
緑谷は爆豪を目で追いながら叫ぶが、オールマイトを目の前にして後ずさり、逃げようと試みる。
「ペアを見捨てて逃げるのか?」
「っ……!」
腹に入った重めの一発に、緑谷は体をくの字に折った。
もう1発入れようと手を振りあげるも、
その後から、爆豪が爆破で勢いをつけ、重い篭手を振り下ろし殴りかかってくる。
「おっと!
君はもう少し大人しくしておくといい」
「ぐぁっぅ……!!」
ヒジが喉元をつき、弾き飛ばされた。
5m先に打ち付けられる爆豪を緑谷は地に伏した状態で力なく見上げる
「か…っちゃ、ん…」
フラフラと近づくと、爆豪は砂利を掴んで上半身を起こそうと躍起になった。
「…どけ…オメガ…手ぇ出すな…」
「でも、かっちゃん…」
「俺一人で…倒さねぇと意味ねんだよ…
俺一人の力で、アルファを倒さねぇと…意味が…!」
朦朧とする意識の中、定まらない視線をオールマイトに向ける。
上か下か
ぐるぐる回った。
確かこんなアトラクションがあったななんて具合に