第22章 I am not knowing
戦慄する生徒達。
対して、教師陣たちは不敵に笑う。
「なお、ペアの組と対戦する教師は既に決定済み、
動きの系統、成績、親密度からこちらの独断で決めさせてもらったから、発表するぞ
まず、轟と八百万がペアで……俺とだ」
「続いて、緑谷と爆豪がペアで…」
そう発表されると、2人は顔を見合わせる。
走る緊張感…
だがそれもつかの間、空から降ってきた巨体が2人の前に音を立てて現れ
「…私が…する!!!」
「オールマイト…が…?!」
二人の相手は、オールマイト
拳を握りしめ、2人を見下ろすと
「【協力】して、勝ちに来いよ…お二人さん」
圧倒的威圧感で言い放った。
もとより、大きな亀裂のある2人。
一夜二夜のものでは無い…もう何年もかけて大きくなった溝は、うまることを知らない。
それに加えて、くるみの番にならないことへの口論…
くるみと轟がデートをするように手を貸すなど、ココ最近でさらに溝は深まっている。
(僕が…かっちゃんと協力…)
(俺と、デクが協力…だと?)
「出番がまだの生徒は、モニタールームで試験を観察するか、ペアで作戦を相談するか、好きにしろ。
以上だ」
「常闇ちゃん、作戦会議しましょ」
「御意」
「尾白くん、僕達の個性で出来ることを相談したいのだが」
「あぁ、もちろん!」
ペアたちが次々に話を進める中、
緑谷と爆豪は目も合わせることなく散り散りになった。
(元々…期待もしてないけどね…)
去っていく爆豪の後ろ姿を見つめながら、緑谷はため息をつく。