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【ヒロアカ】アイアム!【オメガバ】

第20章 I am not so bad



『幻覚、だよね。』


「…くるみ?」

『幻聴までする…』


「くるみ?」
幻聴ではないと、悟ったのか、くるみは勢いよく振り向いた

背後には、くるみが先ほど穴越しに見た男…轟焦凍
私服なのか、深い紺色のワイシャツは六部袖、白いクロップドパンツ。
驚いた様子でくるみを見下ろしている。


『轟くん!?え?本物?』

くるみは轟の胸元をペタペタ触り、実在するか否かを確認する。

『あ、本物だ…』

「くるみも遊びに来たのか?」

『うん!11時待ち合わせなんだけど…』


時計の時刻は約束の時刻を過ぎている。
くるみは『ちょっとごめんね』と断りを入れて、緑谷に電話を入れる。

何コールなっても出る様子のない緑谷に、停止ボタンを押した。

その横で轟も緑谷にLINEを打つ。
こちらも同様、既読さえつかないまま、時間はコンコンと過ぎていく。


「遅せぇな、くるみの待ち合わせの人」

『うん…轟くんは待ち合わせ何時?』


「11時だ」

『同じだね…
うーん、映画始まっちゃうなぁ…』
再度時間を確認するくるみを横目に、轟はそっと溜息をつく。

「爆豪か?」

『え?』

「待ち合わせ、デートなんだろ?」

くるみは薄いピンクの6部丈サマーニットに、膝少し下の黒いサテンスカート。
白い大花柄にかごバッグという可愛らしいコーディネートだ。
どこからどう見てもデート服にしか見えないが、くるみは首を横に振る。

『ううん、デクくんなの』

「俺もだ」

『え?』

「俺も緑谷を待ってる」

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