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【ヒロアカ】アイアム!【オメガバ】

第20章 I am not so bad




「明日っていっても、明日は土曜だろうが」
『え?!あ…ほんとだ』

くるみはスマホのカレンダーを確認しながら目を丸くする。

『爆豪くんは切島くんにお勉強教えてあげるんだよね』

「お前は?」

『ん?映画だよ』

爆豪は、軽く返される返事にムッとする。

「誰とだ」

完全に嫉妬深い彼氏に早変わりした爆豪。
くるみは特に気にすることもなく

『デクくんだよ?』

と答えた。

「ッは!?デク!?!」

『え?う、うん…仲良いの言ったよね?』



「ダメだ」

『えぇ!』
どうして!?と悲しげな顔をするくるみを爆豪は睨みつける。

「クソナードだろうが、あいつも男だろうが!」

『で、でも…デクくんは友達で…
それにほら、オメガだし!』

オメガ同士の夫婦はベータオメガ以上に希少価値。
そもそもフェロモンが効きあわない仲では男女云々以前の話だ。



「……」
『まぁ、デクくんが、アルファでも関係ないよ?


爆豪くんにしか興味ないから』

コテン。首を傾げて見つめてくる仕草にほんのり染まった頬…

『近況報告もしたいし…ね?いいでしょ?
爆豪くんとの事ノロケたいの…』

くるみは腕にすがりつきながらブラブラ振って
まるでネコのように擦り寄りながら『おねがいっ』と頼んだ。



「映画だけで…帰ってこい」

『やったぁ!爆豪くんダイスキ♡』

爆豪はまだ納得の言ってない顔をしたが、くるみの押しに負けて観念した。


(まぁ…オメガ同士だし…デクだしな)

爆豪は、疲れて眠ってしまったくるみを横目に
小さくため息を吐いた。


デクと聞いて思い出すのは、やはり…あの日の会話だ。


ーーー「でも、そんなのじゃヒートは和らがない!
番になる他、オメガを救う方法はないんだ!

そんなの君だってわかってるだろ?!」


こいつは、今、幸せなんだろうか…?
この先ベータの俺と救われない人生を歩むことに、何の不安もねぇんだろうか…。

抱き寄せると、体は小さくて
首筋にさっき噛んだ噛み跡はもう消えていた。


「消えてんじゃねぇよ…」




こいつはきっと…俺を好きになったことが、運の尽きなんだろう。

もう一度噛みあとを付けた、
今度はさらに深く、残すように
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