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【ヒロアカ】アイアム!【オメガバ】

第19章 I am a boy



爆豪と別れて教室に向かうすがら、
くるみは背後からの呼びかけに振り向いた。
「縫井さん」

『デクくん!』

駆け寄ると、2つの赤い靴が並ぶ。

『ね、あの日、デクくんが爆豪くん呼んでくれたんだよね!ありがとう
おかげでね、爆豪くんと付き合うことになったの!』

くるみの嬉しげな笑顔に、キュッと心臓を締め付けられた。

「あ、う…うん…
そっか、付き合うことになったんだね」

『うん!すっごく嬉しい』






「あの、さ…番にはなったの?」
緑谷は、自分でも込み入ったことを聞いてしまったと思った
けれど、もしかしたら、どこか爆豪を信じたいと思っていたのかもしれない
けれどそんな期待も一瞬で裏切られてしまう。




返事をする前から、漂う雰囲気は何ともぎくしゃくしていて…
『えっと…番は、イイんだ』
くるみは苦笑いを浮かべながら緑谷に答えた。

「いいって…どう言うこと?」

『番、なれなくてもいいの。』


爆豪がベータだと言うつもりがないのか、淡々と答えるくるみに、緑谷は目を見開いて腕を掴んだ。
「ダメだよ!そんなの…
番の居ないオメガがどうなるか…縫井さんもわかってるよね?」

『わかってる…わかってるよ?』
「なら…」

『でも…イイの。
ありがとね、心配してくれて』


「……」









くるみは表情を暗くする緑谷の、両頬をむにっと引っ張った。

『暗い顔してる』
「う…」

『あんまり一緒に帰れなくなるのかなぁ』
「そりゃ…かっちゃんが嫌がるだろうし…」





『なら土日は?』
「え?」

『遊び行こうよ』





くるみからの思わぬ誘いに、緑谷は目を丸くする。


「いいの?じ、実は今度みたいアメコミ映画があって!

前売り券買うともらえるキーホルダー目当てで5枚買っちゃったんだけど、見に行く人もいないし…でも5回も見に行かないし…困ってたんだよね!」




『それって…最近予告やってるやつ?』

「うん!金曜日に公開なんだけど…」


『なら、今週末行こっか』




緑谷は少し思考した後「うん」と答え、くるみと別れた。
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