• テキストサイズ

【ヒロアカ】アイアム!【オメガバ】

第17章 I am not your destiny



緑谷が教室に戻ると、担任の相澤は一瞬そちらを見たが、緑谷の顔が青ざめているのを見て、叱咤するのを躊躇し
「早く席につけ」とだけ声をかける。

「はい…すみません…」

静かに席に着く緑谷を、轟は横目に、バツが悪そうな顔を軽く俯けた。


だが、昼休憩のチャイムが鳴ると同時に、立ち上がった轟は、まっすぐ緑谷の席に行くと

「いいか?」
と声をかける。


「うん…」

轟に付いて、緑谷が教室をあとにするのを、爆豪はあえて直接見ないようにしているのか、窓の反射越しに見ていた。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


「こないだは…殴ってくれてありがとな…
ヒートに当てられちまって、理性がなくなってた…」

「ううん、僕の方こそごめん…
痛かったよね。」

「あぁ、おかげで正気に戻れた…
が、やったことには変わりねぇ…くるみに謝ってから、処分を受けようと思っている。」

法的には非のないアルファでも、自首という形を取れば、強姦罪として裁かれる。
だがそのような事は、ごく稀で、大半はオメガの一方的に泣き寝入りだ。



「それは縫井さんがどう判断するかによるけど…
でも……



ねぇ、轟くん

轟くんは、本当に縫井さんが好き?」


「あぁ、好きだ…

一方的な感情だが、それを知ってもなお、
あいつのことがどんどん好きになる」

轟は苦しげに思いの丈を緑谷に吐き出した。
緑谷はそれを聞きながら、どこかホッとした面持ちをする。

/ 352ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp