第17章 I am not your destiny
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かっちゃんと、轟くんが休みの教室の中は、いつもとさして変わらなかった。
(轟くんは…自分のしたことへのショックも含めてお休みなんだろう…)
斜め後ろの席を横目に見ながらため息を吐く。
はっきり言って、轟くんが襲ってしまうのも仕方がない。
もちろん、縫井さんは可哀想だし、強姦が許されないことなのはわかっている。
けれど、オメガは【こういうこと】になった時、自分に非があると理解するように教育をされている。
ヒート中に、アルファ相手に鍵を開けてしまったーーーーその事で、既に自己防衛不届きということになる。
だとしたら、悪いのはアルファではなく、オメガである自分自身だ。
そう思わなければ、生きていけない。
オメガ性の僕らは、色々なことを諦めないと、生きるのが辛くなるだけだから。
(っで…かっちゃんは……
昨日の感じからして、確実に縫井さんの家に行っているはず…
だとしたら、だ。
今日休んでいるのは…そ、そ、そういうことに、なるんだけど…)
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僕は熱くなる頬を腕で隠して机にうつ伏せた。
(縫井さんとかっちゃん…番になれたのかな…)
そう思うとふんわり心が暖かくなる。
縫井さんの一途な思いが、あの堅物かっちゃんの心を溶かしたんだろう。
そう思うと、やっぱり、あの二人が俗に言う【運命】だったのかなって、うれしくなった。
ツチノコを見つけた気分だ。
都市伝説が間近で起きたんだから過言じゃないよね。