第16章 I am who you loved
『なんで…ばくごうくん…が……ゆめ?』
「…夢じゃねぇ」
爆豪は、ベッドに座ると、くるみに覆いかぶさるように両手をつく
「……番いになってやる」
『え……』
「辛れぇんだろうが、なってやるから、首出せ」
その言葉に、くるみは戸惑いと、期待と、疑念を塗ったような表情で、眉をひそめたが
爆豪から視線を外して、首を横に振った。
『だめ……今、爆豪くんはフェロモンに惑わされてるだけ……だから』
くるみは震える体を抱きしめて、息絶え絶えにそう言うと、
爆豪はイライラした表情で、顔を赤くしくるみを睨み下ろした。
「ンなもんで惑わされるかよ!
……俺は……ちゃんとテメェが好きだ、
いいからさっさと俺のものになれや! クソオメガ」
『ばく…ご……くん…
ホント?
ほんとに……ホント?』
「…ンな嘘言うかよ、バカが
…あと泣くな!あー…ったく…めんどくせぇな」
ブツブツ言いながら親指で涙を拭い取る爆豪に、くるみは次から次へと涙をこぼした。