第16章 I am who you loved
オメガの首輪はオーダーメイドだ。
隙間なく首にフィットするように作られて居て、刃物などで皮だけ切ろうにも切れないようになっている…。
外し方はオメガ本人しか知らず、その鍵の種類は数百にも登る。
くるみが、首輪の金具部分に設置されたボタンを順番通りに押すと
ガチッと音を立てて首輪が開いた。
フェロモンの発生源である首裏が露わになると、濃度はさらに強まり、爆豪は眩暈に近い欲情に襲われる。
爆豪が噛もうと首筋から髪を退けると、くるみは、振り返って爆豪を見つめた。
『番いの…なり方知らない…?』
「…しらねぇ」
もともと、オメガと番う気などさらさらなかった爆豪は番いのシステムを知らないでいた。
「しなきゃ…しながらじゃなきゃ無理、だよ?」
『…ぁ゛?!』
誘うような上目遣いに爆豪ま首まで赤く染めて、くるみを睨みつける。
抑制剤を飲んでいるのに関わらず、首の皮一枚でつなげている理性…。
(今すぐにでも犯しちまいたいとずっと思っているのを、コイツは…人の気もしらねぇで……!)
『…欲しいの…爆豪くんが、欲しいの…
……こんな、汚れてるのに…汚れちゃったのに…爆豪くんが…ほしいって、言っちゃダメなのに……それでも……』
くるみも同じように真っ赤になって、目をぎゅうっと閉じた
涙は次々にこぼれ出して、布団にシミを作っていく。