第15章 I am destiny
爆豪は、緑谷の手から紙袋を奪い取ると、階段を登り引き出しの中のTシャツを突っ込んでいった。
緑谷は浮かんだ涙を手の甲で擦りながらその様子を見つめる。
「ありがとう…かっちゃん」
「てめぇはアイツの何だよ
てめぇに礼を言われる筋合いはねぇ」
「うん…そうだね、そうだけど…ありがとう…」
緑谷はイッパイになった紙袋を受け取ろうとしたのだが、爆豪はそれを高く持ち上げ、触れさせないようにする。
「俺が行く」
「いや!だって…君が近づいたら…」
「俺はアルファ用のオメガフェロモン抑制剤飲んどる、舐めんな。」
爆豪はオメガフェロモンに当てられないために、常用している。抑制剤を飲んでいれば、理性の崩壊はないとされ、副作用もないため、アルファとの番を望むアルファは常用していることが多い。
「ついて行…「くんな殺すぞ」
出ていこうとする爆豪を緑谷が再度止めた。
「でも、かっちゃん、縫井さんの家わかんないでしょ?鍵もかけてきたから入れないよ?」
「知っとるわ!クソが
あと何でテメェが鍵持ったんだ!死ねカス!寄越せや!」
「だって…その……縫井さん気絶してて…」
「あ゛?」