第15章 I am destiny
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折寺の、洋風のアパート…
最近出来たばかり、という情報だけで、くるみの家はすんなりと見つかった。
問題は、部屋番号だな……
そう思ってアパートの前に立つ。
ポストは各部屋に備え付けなようで、各部屋な前に行かなくてはいけなかった。
一階にはくるみの名前はなく、二階なあがった途端、体が引き寄せられるような感覚を覚える。
フラフラ、花に吸い寄せられる蜂のように
その匂いの源である、一枚の扉の前に立った。
扉の前に立つと、一層強くなるその匂い。
震える指でインターフォンを押したが、なかなか反応がない。
もう一度押そうかと思ったところで、音がして
少ししてから鍵が開いた。
戸を開くが、チェーンがかかっていて全部開かない
『デクくん…あり、がと…きて…くれ…』
途切れ途切れの声が中から聞こえるが、それも、どこか遠くに聞こえて……ダメだ、ダメだ…理性が、あたまが、まわらない、マワラナイ
チェーンを手で掴むと、最高温度で溶かした。
溶けた鉄液がボタボタ床に落ちて、固まる。
目の前のくるみが、何か言っているが聞こえねぇ
俺を見て、少し恐怖の色を見せたくるみの顔に、さらに欲情が増した。
そんなに怖がるなよ……苦しみから、解放してやりてぇだけだ
俺も…お前も…本当に馬鹿だから
お互いが【運命】だと気づくのに時間がかかっちまったよな…
細い腰を掴んで、床に押し付けた。
どこか夢を見ているようなフワフワとした感覚……
この匂い…ダメだ…噛みたい…噛みたい…噛みたい
『嫌…!やめ…轟くん!!』
くるみの声が遠くで響く。
「あぁ…すぐ噛んでやるから…」
ずっと焦がれていた身体はびっくりするほど柔らかく
妖艶に俺(アルファ)を誘った。