第15章 I am destiny
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『うぁ……っん…苦し…ぁあ!』
くるみはうつ伏せで衣類に顔を押し付けて、少し高く上げた腰の中心を自分で慰めていた。
指先だけではどうすることもできない疼きに、涙が溢れて
何も身につけていない体は汗でしっとりと濡れ、ビクンビクンとふるえている。
そこに、ピンポン…と、チャイム音が聞こえ
くるみはボンヤリと顔を上げた。
『デク…くん、か……』
ズルズルベッドから這い出ると、床に落ちているロングTシャツを羽織る。
下着をつけると、体に触れるところが気持ちよくなってしまうから、素肌に直接着たTシャツ…。
Tシャツが擦れることで、熱を持った乳頭が布地を持ち上げるが、彼女にそんな余裕はない…。
四つ這いで廊下をズルズル進み、どうにか届くドアの鍵に手を伸ばし、錠を捻る…。
それだけの仕事で、疲れ果て、床にヘタリ込むと
ゆっくりと扉が空いた。
『デク…くん…あり、がと…きてくれ……』
途端に、くるみは目を開いた。
体が軽くなったのを感じたのだ…。
どんな抑制剤でも、薬でも緩和されない性欲が、ほんの少しだけ楽になるが
その奥の方からまるで、津波のようにブワッと熱が押し寄せてくる…。
『デ…ク…く…』
くるみは顔を上げると、その瞳を大きくこじ開けた。
ペタ、ペタと、手のひらで退くが、
目の前の男は、獣のような瞳のままこちらを見つめ続けている。
『なん…で…轟くんが……』
四つ這いになって、奥に逃げたが、意味はない。
靴を履いたまま入ってきた轟は、何も言わずにくるみを床に押し込んだ。