第14章 I am lonely
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授業が終わって。すぐにくるみの教室に向かった。
約束してねぇし、居ねぇだろうなと思ったが
時々、友達と教室で話してることもあるから毎日覗くようにしている。
茜色一色の廊下を進み、くるみのクラスに踏み入り、
思わず目を細めた。
キャラメル色に、差し込む夕日が、キラキラと眩しすぎて…。
逆光でよく見えない横顔は柔らかく、伏せ目は手元の小説に注がれている。
いつからだったのか 思い出せねぇが
何度も 俺の頭が くるみで乱された…
それが始まりで次々浮かんでくる想い…
それが増えていって、少し…うろたえた
この想いに名前がついてからは
加速して増えていくばかりで……
これが愛なんだろうな…
くるみも 俺の気持ちと 同じ気持ちなら、始まんのか?
思い起こせば、今まで何度ときめいたかもわかんねぇほどで
「好きだ」と言えたら楽になんだろうか…
好きと言えない俺、運命に気づかねぇくるみ。
俺も……くるみも…本当に馬鹿だよな
どれほど見つめていたのか、一秒だったのか、一時間だったのか
時間の感覚を失いかけていた俺の方を、くるみの瞳が映した。
『轟くん!』
「こないだ…ぶりだな」
『そうだね!腕、大丈夫?』
「あぁ」
気持ちを隠して、目の前の椅子に座り、向かい合う。
「…会いたかった」
『えぇ、ふふ…うん、会いたかったよ』
俺の本気の言葉もこうして軽く流されるが、それでもいい。
いつか、くるみは必ず俺の方を見てくれる…
俺と、くるみは【運命】だから
現に、今も絶えず…心が何度も くるみのこと 愛してるっていっている。
これが【運命】じゃねぇなら なんだって言うんだろう