第14章 I am lonely
くるみは特に爆豪に話しかけるわけでもなく
ゆっくりと速度を落とし、爆豪の二歩後ろをあるいた。
爆豪は時折後ろを気にしながらゆっくりと進む…。
(何してんだ…オレは…)
ふと思うが、それでも、振り返れば満面の笑みを向けてくるくるみに悪い気はしなかった。
「何がンなおもしれぇんだよ…
いっつもニコニコニコニコしやがって」
『んーーー爆豪くん、久しぶりに見たらやっぱりすっごく大好きだなって…おもってただけだよ?』
何のためらいもなく投げかけられる愛の言葉に、周りの視線が一瞬2人に集まり
爆豪は思わずカッ!と顔を赤く染めた。
「バカか、テメェは」
『んっ』
爆豪に額を指で押され、くるみはギュッと目をつむる。
「…それより…試験、来週からだろうが
こないだ教えたところ…ちゃんと復習したんか」
『あ!うん!
でも…ちょっと物理でわからないところが…』
「教室で待ってろ」
『…今日?!』
「あ?ンだよ、決まっとるだろうが」
くるみは大きく目を開けて、その如何様にも取れる色の瞳をパチクリとさせた。
『うん!待ってる!
ありがとう、爆豪くん、大好き!』
「っ…//うっせぇ」
それだけ言い残すと、火照る頬を隠すかのように、爆豪はくるみを置いて校内に逃げ入ってしまった。
その後ろで、くるみは一度立ち止まって、クスクス笑い小さくスキップをしながら校内に入っていった。