第13章 I am a egg
「じゃあ、私はこれで、失礼するワンよ。」
面構所長は、部屋を出る際、忠告するかのようにくるみを一瞥した。
くるみは深々と頭を下げる。
「縫井さん…ごめん、タイミング悪かったね」
『あ、ううん…
驚いたけど…えっと…』
「なんでここにくるみが居んだ?」
俺はくるみに言ってねぇ…というか、言わねぇように気をつけたはずだった。
入院してることも、ケガのことも…もちろんヒーロー殺しのことも。
一重に、くるみを心配させねぇためにだ。
「ごめん…僕が言ったんだ」
控えめにそう言ったのは緑谷で、頬をポリポリとかきながらバツが悪そうに笑う。
「昨日縫井さんからLINEが来てて、
【大丈夫!もう病院だし、轟くんも軽傷だから安心して】って返事しちゃったんだよね…
轟くん、昨日の夜縫井さんと電話してたから、てっきり話してるものかと思って…
東京まで来てるって言ってたから、病院名教えたんだけど…
轟くんに言おうと思ったところでグラントリノが来ちゃって…」