第13章 I am a egg
「まぁ、いいワン。
まだ彼らにも、どうするか聞いていないしね…。
ここまで聞いたんだ、中に入るワン。」
『はい…失礼します…』
くるみはオズオズ部屋に入ると、壁に沿って部屋の隅に立った。
「で……、あくまで処分は公表すればの話。
公表すれば、世論は君たちを褒め称えるだろうが処罰は免れない。
一方で、汚い話…公表しなければ、火傷の痕からエンデヴァーを功労者として擁立してしまえるワン
ただし、君たちが得られるはずの賞賛は…この場合得られないわけだが…」
「すみま…せんでした」
最初に頭を下げたのは飯田だった。
「すみませんでした」
「よろしくお願いします…」
こうして、処分は免れ…この事件の全貌もこの場で握りつぶされることとなった…。
面構所長は、腰を折り、深々と頭を俺達の方に下げる。
「最後に…共に平和を守るものとして…、
ありがとう。」
所長の真摯な対応に、さっき、「犬」と罵ってしまった己を恥じた。
「先に…言ってくださいよ…」
バツが悪くそう言うと、緑谷とくるみが含みのある苦笑いを向けてくる。