• テキストサイズ

【ヒロアカ】アイアム!【オメガバ】

第10章 I am running




- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

くるみが待ち合わせに遅れるのは初めてで、画面を確認すると、

待ち合わせ時間は10分前だった。


『轟くん!轟くん!!』

俺を呼ぶ声がして、
走ってきたのは、息を弾ませていつもより慌ただしい彼女。

ベンチから立ち上がろうとする俺の胸元に飛び込んできて、抱きついてきた。
大きめの制服のせいで隠れていた柔らかな体が押し付けられる。

「くるみ…!?」
『轟くん!どうしよう!』

くるみは俺の胸元に顔を埋めたままくぐもった声で小さく叫んだ。


『爆豪くんに…』
「爆豪に…?」


勢いよく顔が上がる。
泣き出しそうなその顔は様々な感情が蠢いていて、よく分からない。


『爆豪くんに!



連絡先聞かれちゃった!』




辛い恋だと気付いた時には、もう手遅れで…


コロコロと笑う彼女ごと、この世界が灰色になっていくようで…。




(なんで…応援するなんて言っちまったんだろうな…)



後悔する頃にはもうとっくに遅くて…



だからといって、どうすることもできなくて…



/ 352ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp