第4章 Loving you is Killing me. 後編
お湯に浸かってるのに、思い切り射精したってのに……
何でこんなに寒いのかな。
身体が凍ちまったみたいに動かせねえ。
バスタブの中でグッタリとして虚ろな視線を漂わせるオレに、バニーが顔を寄せてくる。
「虎徹さん……好きです。」
「……止めろ。」
オレは視線だけでバニーを牽制し、そのキスを避けた。
一瞬、泣きそうな顔をして下唇を噛んだバニー。
だけどスグにまた無表情に戻って、バスタブの中のオレを抱き上げる。
バスタオルに包まれて、ロフトまで運ばれて、ベッドに横たわったオレの髪をバニーが撫でて……
その心地好さに溶けてしまえたらどんなに楽だっただろうな。
でもオレは、バニーのその優しい手を力一杯振り払った。
「帰れ。」
「……虎徹…さ…」
「オレの事は放っといていいから……
さっさと帰れよ!」
「でもッ……」
「それから……もうお前と2人きりでは会わねーから。」
「怒ってるんですか?
僕がこんなコトしたから?
……当然、ですよね。
でも僕はッ……
本気で貴方を………」
「もうッッ……お前の顔なんて見たくねーんだよッ!」
ホラ………その顔だよ。
ボロボロと涙を零して『僕を離さないで』って言わんばかりの顔。
バニーに甘えられると嬉しくてさ……
そんなバニーが可愛くて可愛くて……
ずっと一緒に居られたら…って思ってた。
だけどオレの能力は減退する一方で、2部リーグですら働けなくなるかもしれねえ。
そんなオレがさ……
スーパーヒーローBBJの隣に居られるワケねえよなァ?