第4章 Loving you is Killing me. 後編
「ハッ…ア……
虎徹……さん。」
漸く満足したのか……バニーが上半身を起こす。
「…ッたく。
バニーちゃんってばキスがシツコイねー。
おじさん、窒息しちゃうかと思ったわ。」
ワザとらしく戯けてみても、バニーはオレに跨がったまま微動だにしねえ。
「ホラ……退けよ、バニー。」
そう言っても全く動かず、オレをじっと見下ろすバニーのガラスみたいな目に背筋がゾワッと粟立った。
「重いんだよ……
退けって………」
ビィィィッッー……
唐突にバニーの両手で引き裂かれたオレのシャツ。
弾け飛んで転がっていくボタンを目で追ってから、バニーへと視線を戻してみる。
眉ひとつ歪める事も無く、まるで人形みたいに無機質に整った顔。
オレはいつもバニーの顔を怖いくらいに綺麗だな…って思ってたけど、今は………
その綺麗さが震えそうな程、怖い。
それでも何とか気を奮い立たせて
「てめえ……何しやがンだッ!」
なんて恫喝してみた所で、やっぱりバニーにはオレの声は届いていないようだ。
………狼狽えたら負けだ。
いや、勝ち負けとかじゃなくてさ………
バニーに弱味を見せたくねえ。
オレはいつだって、バニー………
お前を守って………………