第1章 Red Lip
「さ……どうぞ。」
「イヤ……どうぞ…ったって…お前さァ…」
虎徹さんが心底困ったようにボリボリと頭を掻く。
そんな様子を見ながら、今度は僕が得意気に鼻を鳴らした。
2人をマンションへ連れ帰り、そして直ぐにベッドルームへ放り込んだ。
今は僕のベッドで所在無げに腰掛けている虎徹さんとさんを、僕は見下ろしているんだ。
「僕の自慢の1つ、キングサイズのベッドです。
お二人で戯れるには充分な広さでしょう?
シーツも今朝替えたばかりですから清潔ですよ。
さあ、どうぞ……遠慮なく始めて下さい。」
「バニー……」
ニコニコと笑いながら告げる僕を見上げた虎徹さんの目には明白に動揺が見て取れる。
僕がふざけているんじゃないって分かってくれましたか、虎徹さん?
「その変わり……
部屋を提供した者の権利として、
お二人の行為は全て見させて頂きますから……
ねえ、いいですよね?」