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君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】

第3章 Sweet Darlin’=Little Honey


「エッ……?うわあッ…!
 折紙先輩ッ!?」

突然現れた僕に、バーナビーさんは仰け反るくらい驚いている。

………当たり前だけど。

「シャンプーボトルに擬態していたんですか?」

「………ハイ。」

「いや……それはそれでスゴい能力ですね。
 物体としての質量をも超越出来るなんて……」

感心頻りにマジマジと僕の全身を見つめるバーナビーさんが

「アッ…!
 すみません……コレ…」

と、僕の身体に付着しているお二人の吐き出したモノをシャワーで流してくれた。

「……かたじけない。」

「いえ、こちらこそ……」

「お二人のまぐわいを覗き見てしまって……」

「ああ…そっちの事ですか。」

怒られるかな…とも思ったけど、バーナビーさんは穏やかに微笑んで、濡れた僕の身体をタオルで拭いてくれる。

「構いませんよ。
 元はと言えばこんなパブリックスペースで
 そういう行為をした僕達が悪いんですし。
 それに僕は見せ付けてやりたい方ですからね。
 虎徹さんは僕だけのモノなんだって……。
 でもあの人は他人に見られるのを嫌がるでしょうから
 折紙先輩が擬態して下さって僕は感謝しているくらいです。」

「…………ゥッ…」

気が付けば僕の両目からボロボロと涙が溢れ落ちていた。
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