第3章 Sweet Darlin’=Little Honey
僕をスッポリと包み込んでしまう大きな身体と長く逞しい腕。
優しく啄んだかと思えば、舌を絡ませて煽るテクニック抜群のキス。
KOHはヒーローじゃない時でも、こんなにこんなにカッコイイんだ。
僕はもうウットリとしてしまって、キースさんのされるがままだった。
熱に浮かされてボーッとしてしまっている僕にキースさんがゆっくりと覆い被さって来る。
「イワン……イイかな?」
………イイって何がだろう?
良く分からないけど、今はとても気持ちがいいんだ。
だからキースさんと離れたくない。
このまま僕は……キースさんと………
その時、更に身体を寄せてきたキースさんの股間が僕の太腿に押し付けられて………
「………ッ!」
その感触に気付いた僕は、力任せにキースさんを突き飛ばしてしまった。
「……イワン?」
「あのッ……僕……」
「すまない、怖がらせてしまったかな?
申し訳無い、とても。」
「ち…ち…違うッ…んです!
僕、急に用事を思い出して……」
「え?」
「ごめんなさい!
………失礼しますッッ!」
「待ちたまえ、イワンッ!」
引き留めるキースさんの腕を振り払い、僕を呼ぶ声を振り切って、僕はキースさんの家から飛び出した。