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君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】

第2章 アイシテイルカラナカセタイ


ゆっくりとそれに近付いていって確認してみる。

1つは4歳のバニーが両親と写ってる写真だ。

これはオレが初めてこの部屋に来た時からあった。

じゃあ、もう1つは………

「………ッ。」

オレと楓とバニーが3人で微笑み合っている写真。

この前、楓が来た時に撮ったヤツだ。


どーしてかな……

固まったまま動けないでいるオレ。

そんなオレを背後からフワリと優しい感触が包み込む。

「おはようございます、虎徹さん。」

バニーの逞しい両腕に抱かれて、髪にキスをされても無言のままのオレにバニーは少し不安そうに問い掛けてきた。

「……どうかしたんですか?」

「バニー……コレ……」

「え?」

「この写真……」

「ああ。
 それが何か?」

「………何でココに置いてあんの?」

「だって楓ちゃんがリビングに飾るように…って……」

「違うッ!」

バニーの腕を振りほどきオレは身体を反転させると、正面からグッとバニーを見つめる。

「飾っておけって言ったのはオレにであって、
 バニーに言ったワケじゃねえんだよ、楓は。
 お前にこんなプレッシャーを掛けるつもりじゃなくて……」

「プレッシャー…?
 どうしてそう思うんです?」

「そりゃそーだろ?
 お前の両親との写真の横に、オレと楓がなんてッ……」

言い終わらないうちにオレの身体はまたバニーの両腕に囚われ、今度はギュウギュウと力強く抱き締められた。
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