第2章 アイシテイルカラナカセタイ
「酷いな。
僕は仲間外れ……ですか?」
「違う、違うよッ!
お前の何よりも大切な両親と同等に扱えなんて
バニーに重荷を背負わせるみたいで、オレは……」
「ええ、重荷です。」
「だろ?
だからッ……」
あ……オレ今、バニーにキスされてる。
なんでこのタイミング?
でも重なったバニーの唇がちょっとだけ震えてて、顔が離れてもオレは何も言えなかった。
「……両親を殺されて、
もう一生1人で生きていかなくちゃいけないと思っていた僕を
貴方と楓ちゃんは受け入れてくれた。
だから僕は、貴方達を家族だって思っているんです。
それはもう……何よりも重たい、僕が全てを捧げて守りたい家族。
両親と同じですよ……
いいえ、今はもうそれ以上かもしれない。
ね……虎徹さん、そう思っちゃダメですか?」
「バニー……」
儚げに微笑むバニーの顔がジワジワと滲む。
アレ?………何でオレが泣いてんだ?
「どうして虎徹さんが泣くんですか?」
ウルセー!
オレだって今、そう思ってたんだよ!
きっと今のオレの顔……クシャクシャになってんだろーな。
「ありがとな……バニー。」
そのクシャクシャな顔のままバニーを見上げてそう言えば、バニーとオレの額がコツンとぶつかった。
「フフ…
ここでお礼を言うのは僕の方でしょう?」
「ハハハッ……そーだな。」
「ねえ、虎徹さん。
今度、貴方のお母様とお兄さんにも会わせて下さいね。」
…………お母様ってツラじゃねーんだけどな。
バニーがガッカリするんじゃねーか……なんて、一抹の不安を覚えつつも
「ああ、近いうちに会いに行こう!」
笑顔でそう言うオレの唇を、バニーがまた柔らかく塞いだ。