第22章 貴方が僕にくれたもの
15年目のバースデーには孫まで出来ました。
楓ちゃん……僕と同じバースデーに子供を産んでくれるなんて、何て親孝行な娘なんでしょう。
産まれた子の産声を聞いた時、貴方よりも大泣きする僕を見て……
貴方、大笑いしましたよね?
しかも僕を「バニジイちゃん」なんて揶揄ったりして。
あれ、絶対に忘れませんからね。
その後も《家族》は増え続け、結局3人の孫が出来ました。
でも孫達は僕を「バニジイちゃん」なんて呼びませんでしたよ。
貴方と同じで「バニー」って呼んで懐いてくれました。
貴方は「ジイジ」って呼ばれてましたけどね。
「何で俺だけジイジなんだよッ」って憤慨してましたけど、当然でしょう。
僕は常にスタイリッシュでハンサムだったんですから。
その頃には2人共ヒーローを引退して貴方はヒーローアカデミーの講師に、僕は慈善事業を推進する企業を立ち上げて、お互いに充実した日々を過ごしていました。
そんな中でもバースデーパーティーだけは毎年忘れず《家族》全員が集まって……
本当に楽しかったな。
孫達の成長が見られるのも嬉しくて。
毎年毎年、何にも代え難いプレゼントを貰っている気がしてた。
貴方と出会って僕は…………
一体どれだけのものを貰ったんだろう?
貴方じゃなければ、僕は生きて来られなかったとすら思っています。
今は……………。