第22章 貴方が僕にくれたもの
そして今日は、貴方と出会って40年目のバースデー。
「バニー……ありがとな。」
「唐突に何ですか?」
「いや、今言っとかねえと言えなくなるからさ。」
「お礼を言うのは僕の方ですよ。
貴方には抱えきれない程、沢山のものを貰いましたから。」
「それこそ俺の台詞だよ。
俺なんかを愛してくれて本当にありがとう、バニー。」
「さあ、もう眠って下さい。
さっきまで楓ちゃん達が来てたから
騒がしくて疲れたでしょう?」
「楓……
帰る時、泣きそうな顔してたな。
また明日も来るって言ってたのにな。」
「今日は僕と貴方を2人だけにしようって
気を遣ってくれたんですよ。」
「ははッ……何を今更。
俺とバニーはずっと一緒だったのになぁ。」
「ええ、そうでしたね。
さあ、もう本当に眠って。
疲れてしまいます。
僕はずっとここに居ますから。」
「………うん。」
「そう言えばライアンも今、こっちに向かっているそうですよ。
到着したら起こしますね。
だから安心して……」
「ライアンかぁ………
ああ……会いてえなぁ。」
「直ぐに会えますよ。
プライベートジェットを飛ばしてるそうですから。」
「ぶはッ……流石はゴールデン・ライアン様だなぁ。
今日はバニーのバースデーだし、
きっとすげえプレゼントを持って来るぞ。」
「そうですね。
ふふ……楽しみだな。」
「なあ、バニー……
今年は俺、何にもあげられなくてごめんな。」
「何を言ってるんですか。
そんな事、気にしないで………」
「だからさ……俺をやるよ。
俺の全部を……バニーにくれてやる。」
「………………。」
「………バニー。」
「何ですか?」
「………………愛してる。」
「僕もッ………
僕だって愛してますよ、誰よりも。
貴方だけ。」
「うん。
……楽しかったな。
………幸せだったな、俺達。」
「…………はい。」
「ああ……眠くなっちまった。
バニー…………
おやすみ。」
「おやすみ…なさ……いッ……」