第22章 貴方が僕にくれたもの
そして10年目のバースデー。
この日も僕には……
いいえ、僕と貴方には忘れられない日でした。
出会って10年目に貴方が僕にくれたのはマリッジライセンス。
僕がずっと望んで望んで……
でも手に入れられなかったもの。
貴方は決めていたんですね。
楓ちゃんが成人するまでは……って。
「待たせてごめんな、バニー」って、泣きじゃくる僕を抱き締めてくれた貴方。
その間中、耳元で聞こえた「バニー、愛してる」
今でも昨日の事のように思い出します。
この年、僕は貴方と楓ちゃんという《家族》を貰ったんだ。
それからはどんどん《家族》が増えて行きましたね。
まず楓ちゃんが結婚して、僕には息子も出来ました。
娘を嫁に出す父親の、嬉しさと寂しさが綯交ぜになった複雑な感情。
こんなものまで与えて貰えるなんて。
まあ、僕より貴方の方が大変でしたけど。