第21章 背徳のシナリオ ~後編~
はあ……気付かれなくて良かったな。
『バニーじゃなきゃダメ』なんて言われたから、また僕のペニスが大きく反応しちゃいましたよ。
今は僕の腕の中で心地好さそうに眠る虎徹さん。
本当に、貴方が愛おしくてどうしようもない。
酔っていたからとは言え、『バニーが居ればそれでいい』だなんて………
貴方も僕のコトをそれなりに想ってくれてはいるんですよね。
………じゃあこのまま虎徹さんを抱けばいいじゃないかって?
確かに、今までそんなチャンスは腐るほどありましたよ。
でもね……ダメなんです。
虎徹さんは誰のモノでもないんです。
誰かのモノになってしまってはダメなんですよ。
そう……それが例え『僕』でもね。
全くの無自覚でしょうけど、貴方は常に人を惹き付ける。
ワイルドタイガーに関わった人達はあっという間に鏑木・T・虎徹に惹かれ、そしてその感情が邪な方向へ進んでしまう事も少なくない。
女性は勿論……男だって。
ホラ、僕がbest exampleでしょう?
どうにか貴方を手に入れようとする人間を、僕があの手この手で排除して………
貴方に気付かれないようにっていうのが大前提ですけど。
そのお陰で男性を抱くのも、抱かれるのも経験させてもらいましたけど、どちらも思ったより悪く無かったな。
女性を相手にするよりは余っ程ね。
そして貴方を護りきった後に、僕の手が貴方に触れる………
その瞬間がどれ程に耽美な一時なのか、分かりますか?
ああ……今だって直ぐにでもイッてしまいそうです。