第21章 背徳のシナリオ ~後編~
それにしても………
さんは本当に優しくて、利口な女性でしたね。
今思うとちょっと惜しかったな。
もう少し楽しめるハズだったのに……。
もしかすると彼女は、この僕の倒錯的嗜好に気付いたのかもしれない。
「はああ……
ごめんなさい、虎徹さん。
僕、もう我慢出来ない。」
僕は眠る虎徹さんを手放して、カーペットへそっと横たわらせると、膝立ちになってペニスを取り出す。
「ね……見て、虎徹さん。
僕の……大きいでしょう?」
深く眠っているのを分かっていて僕は虎徹さんに語り掛けながらペニスを扱き始めた。
「ホラ、見て下さいよ。
こんなに固くなって、イヤラシイ液体もダラダラ漏れて……
ンンッ……出ちゃいそうだ……」
大丈夫。
虎徹さんが覚醒する時間はまだ先だ。
「アッ……
虎徹さん、ダメ!
僕……もぅ…ダメですぅ……
アアアッッ……イッ……ク!!!」
ペニスの先端から勢い良く噴き出した精液が、虎徹さんの頬にポタポタと滴る。
大きく呼吸を荒げた僕は、その様子を見て愉悦に表情を歪ませた。
「穢しちゃってごめんなさい、虎徹さん。
でも大丈夫ですよ。
“今回も”僕がキレイにしてあげますからね。」
虎徹さんを起こしてしまわないように、僕は自分の精液を自分の舌でそっと舐め取る。
それから濡れたペニスも丁寧に処理をして身形を整えると、虎徹さんの隣に寝転がった。
「ね……虎徹さん。
目が覚めたら一番に僕の顔を見て、
一番に僕の名前を呼んで下さいね。
そうしてくれたら僕はこれからも貴方を護り続けますから。」
虎徹さんが愛した女性を嬲って排除し、虎徹さんの顔を自分の精液で穢して、それでも隣で熟睡する虎徹さんには手を触れない。
この堪らない背徳感に、僕はブルッと身体を震わせて………
虎徹さんが目覚めるまで、その全身を只管に視線だけで犯し続けた。
「誰のモノでもない貴方。
これからもずっと、『誰にも』渡しませんからね。」
END.