第21章 背徳のシナリオ ~後編~
漸く訪れた静寂。
それがとても心地好い。
僕は全裸のままベッドに横たわった。
…………あの女の生々しい匂いが鼻を突く。
明日の朝一番でシーツをランドリーに出さなきゃいけないな。
それにしても………
あの虎徹さんの表情…………
堪らなかったな。
これまで幾度となく虎徹さんへ好意を寄せる女性を排除して来たけれど、ここまでダイレクトな展開は初めてでしたからね。
「ン………虎徹さん………」
固くなり始めたペニスを右手でゆっくりと扱く。
あの茫然とした虎徹さんの目に見つめられているんだと想像すれば、右手の動きはどんどんと逸った。
ニチャニチャと鳴る厭らしい音も僕を煽るのに充分だ。
「アア……虎徹さん。
もっと僕を見て。
もっと……もっと…………
ンクッ………アアアッッ!」
本当に……
虎徹さんを想いながら行うマスターベーションは、どんな行為よりも僕を悦楽に導いてくれる。
今夜はもうこのまま虎徹さんの視線を感じながら眠りたい。
右手をベットリと濡らす精液をティッシュペーパーで簡単に処理して、僕は深い眠りに堕ちて行った。
「おやすみなさい、虎徹さん。
また明日………
会いましょうね。」