第21章 背徳のシナリオ ~後編~
さあ、虎徹さんの登場です。
酔って眠ってしまってから目が覚めるまでの時間……僕の想定通りだ。
その時間帯に合わせて、半分開いたベッドルームのドアからさんの嬌声を響かせる。
………上手く事が運び過ぎて怖い位ですよ。
「バニー……ど…して…?」
虎徹さんの呆けた声。
ええ、当然の疑問ですよね?
そして僕が然り気無くさんの顔を立ち尽くす虎徹さんの方へ向けてやると、僕に散々突かれて蕩けていたさんの身体が一瞬で強張った。
ンッ……そんなに締め付けないで、さん。
危うく射精しそうになりましたよ。
「や…だ……いやッ!
見ないで、虎徹君………
見ないでぇッ!
いやあああッッ!」
さんの絶叫を聞きながら、僕の顔はきっと愉悦に歪んでいただろう。
それでも直ぐにその表情を打ち消してさんの身体を手離し、ベッドから飛び降りると虎徹さんの足元に膝と両手を着いて頭を下げる。
所謂、DOGEZAってヤツだ。
オリエンタル的にはこれが最上級の謝罪スタイルなんですよね、虎徹さん?
「ごめんなさいッ……虎徹さん!
僕がいけないんです!
僕、寂しくて………さんに甘えてしまった。
だからさんを責めないで!
全部僕が悪いんです!」