• テキストサイズ

君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】

第21章 背徳のシナリオ ~後編~


「ね、さん。
 どうします?」

「え…?
 どう……って…」

僕がジリッと身体を寄せた分だけ、さんは後退った。

その詰められない距離を僕の右腕が一気に突破する。

「このリップ、着けてきてくれたんですね。
 ………嬉しいな。」

人差し指でさんの唇をゆっくりなぞってやれば、その心の中で起こっている葛藤が僕にも伝わって来るようだ。

「ダメ……バーナビー……」

「ダメ?
 何が……ダメなんですか?」

「だって……虎徹君が……」

「ああ……
 何かを期待しちゃってる?」

「………ッッ!」

図星を突かれて真っ赤に染まる頬。

ホント………容易過ぎて張り合いが無い。


「貴女、僕のファンだったんですよね?
 そのBBJに求められて嬉しくない?」

「でももう……私は……」

「貴女はもう、虎徹さんの……だから?」

ここで僕はワザとらしく哀し気な表情を作ってみせた。

どんなハンサムビームよりも、この女にはこういったスタンスが1番効果的なハズだ。


「ね……僕が悪いんです。
 僕が淋しくて、甘えたくて、さんを求めてしまったから。
 貴女は何一つ罪悪感を持つ必要はありません。
 勿論虎徹さんにも言いません。
 僕とさんだけの特別な秘密です。
 それでも………ダメですか?」

「バーナビー……」

「ねえ……ダメ?」

「…………。」


ホラ、堕ちた。

後は貴女が『自分の選択で僕に抱かれた』という状況を作り出さなくては。
/ 461ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp