第2章 アイシテイルカラナカセタイ
それからファイヤーエンブレムもどっか行っちまって……
オレは言われた通り、ずっとバニーの様子を窺ってた。
………アレ?
バニー……ちょっとフラついてねーか?
なんか気分悪そうに眉間に手を当てたりして……
確かにバニーはそんな酒強くねーけどよ。
でもあんなカクテル1杯で酔っちまう程じゃねーハズだ。
隣に居る彼女は、そんなバニーを心配する素振りもねえし……
流石にオレも何かがオカシイって気付き始めた時……
「オイ、虎徹。」
バイソンが戻って来た。
「ちょっとヤベェぞ。」
「一体何だよ?」
「あの女……
バーナビーに催淫剤を飲ませやがった。」
「ハァッ!?」
バイソンがさっきのバーテンダーを裏でちょーっと締め上げた所、あっさりと白状したらしい。
あのバーテンダーはホテルのオーナーである彼女の父親の力でバーに忍び込ませた偽者で、バニーに薬を盛る役目だった。
勿論首謀者はあの彼女で、どんな手を尽くしても自分に堕ちないバニーを薬で酩酊させておいてから既成事実を作っちまおうって算段だとよ。
あんな美人なのにやるコトが怖えよな。
いや、怖いのは金も美貌も持ってる女ですら、そうさせてしまうバニーの方か?